不整脈の起こる仕組み
心臓が正常に機能している場合には、刺激が規則的に発生し、回路を伝ってその1回ごとに心室まで滞ることなく心室まで伝えられます。心臓は、心臓自身が「刺激」を出し、それが伝えられることによって、収縮と拡張を繰り返します。洞結節から発せられた刺激は、次の1〜5の順序で伝えられます:1.洞結節 2.心房(しんぼう) 3.房室結節(ぼうしつけっせつ) 4.ヒス束(ひすそく) 5.心室中隔(しんしつちゅうかく)を走る左右の脚(きゃく) 6.左右の心室(しんしつ)洞結節から発せられた刺激が心房に伝わると、心房が、そして心室に伝わったときには、心室が、それぞれ収縮するのです。
この刺激は、心臓の右心房(うしんぼう)というところの筋肉の一部である「洞結節(どうけっせつ)」というところから発せられます。不整脈(ふせいみゃく)とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態をいいます。
不整脈は、脈の乱れや胸部の不快感などを伴い、当人にとってはつらいことも多いのですが、治療の必要がないもの、あるいは、重篤な疾患・・・心臓病や呼吸器障害など、の兆候のこともありますので、医師の診断を受けることが必要です。通常、成人では安静時に1分間に50〜70回前後の規則的な収縮、拡張が繰り返されます。
こうして正しい収縮が起こり、その後、一定の時間をおいて拡張していくのです。ところがこの刺激が規則的に発生しなくなり、その伝達回路になんらかの支障が生じると、心臓の収縮、拡張のリズムがくずれ、「不整脈」になるのです。
不整脈の症状
不整脈が生じると、「動悸(どうき)」を感じたり、胸に不快感や息苦しさを覚えます。また、不整脈の出方には、精神的な要素も大きく関与しています。心臓の収縮のリズムが乱れた状態を「不整脈」といいます。
動悸というのは、心臓の拍動を自覚することをいいます。その主な症状をあわせてご紹介します。いずれも内科、循環器科を受診し、正確な判断を求められることをお勧めします。
一般的には、心電図などで検査してみると不整脈が起こっていても、特別な症状がないという場合も多くあります。また検査するといっても、不整脈の場合、いつ検査しても現れる場合と、ときどき思いついたように発生するもの、また発作のように一定の時間に限って持続するものなど、その形態や頻度はさまざまです。「動悸」を感じ、脈が突然、乱れた場合に、疑われる病気に以下のものがあります。
●房室ブロック・・・脈が遅くなる。
●高度の徐脈・・脈が遅くなる。
●期外収縮・・・脈が飛ぶような感じを伴う。
●発作性頻脈・・・急に脈が早くなる。
●発作性心房細動・・・脈が乱れ、胸部に不快感がある。
不整脈の症状は、不整脈の種類によって異なります。そのため、病院では現れるがご自宅では現れない、逆にご自宅でのんびりとくつろいでいるときや安静時に現れるものなど、さまざまです。そのため、ご自宅などで生活していて、動悸を感じたために病院にいって心電図検査を受けたものの、不整脈が発見できない、というケースが多々あります。