動悸や息切れに関する豆知識

動悸や息切れについて

不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態をいいます。安静時に突然、動悸を感じた場合にまず考えられる理由は、心臓の「不整脈(ふせいみゃく)」です。そのほかにも、重篤な糖尿病や尿毒症、脳の呼吸中枢の異常などで特有の呼吸の症状が現れることもありますので、専門の医師の診察を受けることをお勧めします。不整脈は、脈の乱れや胸部の不快感などを伴い、当人にとってはつらいことも多いのですが、治療の必要がないものもあります。

 

また、バセドウ病や褐色細胞腫などの内分泌疾患でも動悸を感じることがあります。たとえば、夜中に突然、咳き込み、息苦しいといった症状がある場合、気管支喘息あるいは心臓喘息の発作である可能性が考えられます。不整脈と考えられる疾患心臓病や呼吸器疾患の場合には、動くと動悸や息切れを感じることがあります。

 

「動悸(どうき)」とは、心臓の拍動を自覚することをいいます。わたしたちは、日常、ふつうに生活しているとき・・・過激な運動をした場合は別にして、特に、安静にしているとき・・・には、自分の心臓の拍動を自覚しません。動悸や息切れを感じた場合には、そのほかの症状・・・発熱、胸痛、顔色の変化、および咳などの症状に注意して観察してください。

 

心臓神経症や自律神経失調症の場合、特に心臓に障害はなく、不安やストレスによって動悸およびそのほかの症状があわれます。のどがゼーゼーとして、痰が絡まったような咳が出るのが特徴です。その一方で、重篤な心臓病の兆候のこともあります。

精神的原因による不整脈

不整脈や動悸には、心不全や急性心筋炎、低血糖症、あるいは甲状腺機能亢進症といった、器質的な疾患が原因で起きるもののほかに、精神的な原因によって生じるものがあります。これらは、不安を感じたり、恐怖にさらされる状況に置かれた場合に、症状が現れます。

 

たとえば、「神経循環無力症」や「心臓神経症」「過喚起症候群」「不安神経症」などです。不整脈や動悸が精神的な原因によるものかどうかの判断は、まず、次の一次検査をおこない、さらに必要に応じて、二次検査もおこなったうえで、器質的な疾患の可能性を除外していきます。

 

●心臓神経症・・・心臓が動くたびに痛みを感じる、心臓が痛む、といった症状があります。

●神経循環無力症・・・胸痛、頭痛、不安感、疲労感を伴います。

 

*一次検査・・・胸部X線、打・聴診、赤沈・白血球検査、CRP、心電図、血圧測定、血液・尿の一般検査、血糖値測定、頸部X線、など。そしてほかに異常がみあたらないことを確認したうえで心理テストや精神医学的な判断によって判定されます。

 

緊急な治療が必要かどうかを判断するために、まず心電図検査をおこない、さほど緊急でないと判断された場合には、問診も含めて、次の点からじっくりとその原因を探っていきます。

 

●基礎疾患

●既往歴

●常用薬

●自覚症状・・・動悸の感じ方や、随伴する症状

●不整脈の誘引となる生活状況・・・運動、ストレス、飲酒、喫煙、睡眠不足、疲労、など。

 

*二次検査・・・心電図、ホルター心電図、心エコー検査、CT、超音波検査、甲状腺シンチグラフィ、甲状腺ホルモン測定、など。