期外収縮に関する豆知識

期外収縮の原因について

不整脈のひとつのタイプに「期外収縮(きがいしゅうしゅく)」があります。放置しておいても大丈夫ですが、症状が気になる場合には、症状の誘因となる疲労や睡眠不足、飲酒、刺激物の摂取を控えるようにしてみてはどうでしょう。また、心臓になんらかの異常や病気がない場合でも、疲労や、睡眠不足、喫煙、飲酒、刺激物(カフェイン・・・コーヒーやお茶)のとりすぎ、などが原因となって一時的に期外収縮が起こる場合が、あります。

 

期外収縮は、心臓麻痺の前兆になるような重篤なものから、病的なものではまったくないものまでさまざまです。刺激の発生位置によって、次の種類に分かれます。

 

●「上室性期外収縮(じょうしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心房あるいは房室結節付近で発生した場合で、命の危険はありません。

●「心室性期外収縮」(しんしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心室で発生した場合。

 

期外収縮は、心臓が収縮と拡張をおこなうために、心臓自身に向かって出す「刺激」が、本来刺激が起こるはずの位置(心房の筋肉の一部である洞結節)とはちがった位置から発せられるために起こるものです。とはいえ、心臓に病気がある人を除けば、これらの一時的な期外収縮は、ほとんど心配ありません。

 

期外収縮は、先天性の心疾患や弁膜症が進行し、心臓肥大が目だってきた場合に、心臓の筋肉(心筋(しんきん))が変化したことが原因で起こることもありますし、心不全の場合に心筋が変化して期外収縮が生じることもあります。

注意が必要な期外収縮

期外収縮の危険性心臓疾患を持っていない場合でも、疲労や飲酒などで一時的に期外収縮が起こります。安静時でも、期外収縮が起こると、胸部にもやもやとしていやな感じを覚えたり、ドキンドキンとするなど、微妙な不快感があります。期外収縮で危険が考えられる場合には、冠動脈疾患集中治療室(かんどうみゃくしっかんしゅうちゅうちりょうしつ)(CCU)への入院が必要です。

 

期外収縮の自覚症状

期外収縮の自覚症状は、主に動悸(どうき)ですが、これもあったりなかったり人によってさまざまです。このような場合は、本人が気にならないようなら放置しておいても大丈夫でしょう。

 

期外収縮の治療

心電図で、心室性期外収縮の波形がそろっていない、あるいは間隔が極端に短い、何度も期外収縮が連続して起こる、といった場合、「心室細動(しんしつさいどう)」という不整脈の一種の前兆の可能性があります。

 

一方、もともと心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞、心不全などの心臓病がある人に期外収縮が起こった場合、心筋になんらかの変化が起こったなど、症状が進行したことを示します。したがって専門医に相談し、しかるべき治療を受ける必要があるでしょう。

 

期外収縮は、不整脈のなかでももっともよく見られるもので、24時間の携帯用心電計(ホルター心電図)を用いると、ほとんどすべての人に認められます。