毛穴のケア
その症状により、白にきびや黒にきび、赤にきびなどと呼ばれ、対処法もさまざまです。毛穴の役割としては、毛を生やすことの他に皮脂を分泌することがあります。毛穴の詰まりがにきびを作る原因となっているのですが、毛穴には詰まらないようにする自浄作用はないのでしょうか。にきびの住み家となる毛穴について、少しでも知識を持っていればにきびへの対処法や向き合う姿勢も変わってくるかもしれません。じつはあるのです。
脂腺性毛包にある皮脂腺は、皮脂を大量に分泌する大きなものなので、前胸部や背中にもにきびができやすいのです。皮脂は皮膚の表面をなめらかにして、乾燥から皮膚を守る役割があります。しかし毛穴に自浄作用があるとはいえ、皮膚の代謝は滞りがちなので、定期的にお手入れをしてあげる必要があります。にきびに関して言えば、どうしても悪者にされがちな皮脂の存在ですが、皮膚の保護のためになくてはならない存在でもあるのです。
デコルテにきびや背中にきびと呼ばれるものもあります。皮膚が正常に代謝をしている場合では、皮膚の一番上の角質細胞がはがれて毛穴の中にたまったものは、皮脂と一緒に毛穴の外へと排出されます。にきびとは、毛穴が詰まってそこに脂がたまってしまった状態です。
毛穴の奥にある皮脂腺はぶどうの房のような形で毛根にぶら下がっており、ここで皮脂が作られ毛穴を通して皮膚全体に分泌されます。軟毛性毛包と終毛性毛包は顔と頭部にあり、脂腺性毛包は顔のほかにも前胸部や背中の中央部にあります。うぶ毛が生える軟毛性毛包、ヒゲや髪の毛が生える終毛性毛包、そしてもう一つは、うぶ毛は生えるが大きな皮脂腺を持つ脂腺性毛包です。また、毛が伸びるときに毛に付着して排出される部分もあります。
毛穴の病気
毛穴の病気はいろいろあります。男性の場合は、ジェルやフォームをつけずに直接剃ることをしなければ、にきび予防をすることができます。また、にきびを無理につめでほじくって取ろうとしてはいけません。にきびの悪化したひどいもの、と勘違いされがちですが、にきびとは別のもので、膿んで大きく赤く腫れあがり、触ると痛いものがあります。このブツブツは毛穴にでき、角栓も見られますが、年齢を重ねると症状が軽くなる傾向があります。
原因は今のところ、わかっていません。1週間くらい経つと、自然に破裂して治まりますが、皮膚科で抗生物質を処方してもらってもよいでしょう。他には、「かみそり負け」もありますが、これは髭剃りやうぶ毛を剃る際にかみそりでついてしまった皮膚の小さな傷から、肌にもともとあったブドウ球菌が入り込み炎症を起こしてしまったものです。かみそり負けは見た目に悪いだけでなく、ひりひりと痛みも伴います。毛穴の病気、皮膚の病気にはセルフケアではどうにもならないものがありますので、気になったらまず皮膚科を受診してください。
にきびを取り除くには、皮膚科での治療が必要です。「きちんとセルフケアしているのに、全然にきびがよくならない…」そんな発疹があったら、もしかしたらそれはにきびではなく、別の病気かもしれません。目の周りによく見られ、肌と同じ色か、やや褐色がかっています。よく間違えられるのがおできで、額などの固い部分にできるものを「めんちょう」と呼ばれます。
「汗管腫」は汗の穴にできる小さな水泡のような腫瘍です。にきびと同様、もちろん自分でつぶしてはいけません。肌が乾燥しがちな秋から冬にかけてよく見られる症状です。二の腕やフェイスラインに小さなブツブツが密集してできる「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」は、俗にさめ肌や鳥肌とも呼ばれます。